「お前が、俺の世界の全てなのに…」



ーーーがっ君…?



わたしの頰に重なってる手が、まるで壊れ物に触れるかのように、優しく優しく撫でてくる。


愛しいものに触れるかのような触り方に、わたしは息をするのも忘れて、目の前の彼だけを視界いっぱいに映した。


ゆっくりと動く唇から発せられる言葉は、本当にわたしに向けられたものなのだろうか?










「こんなにも愛してるのに…どうしてわかってくれないんだ…」




熱すぎる眼差しを向けられて、わたしはようやく、彼の心の叫びに気づいた。


その瞳の奥にある、自分にへと向けられた『愛』に。