幾度か瞬きを繰り返して、今にも泣き出してしまいそうながっ君を見つめ返した。
口角は下がり、眉間にしわを寄せ、切れ長の目が不安気に垂れている。
悲しみに満ちたがっ君がなにを考えているのか、やっぱりわたしにはわからなかった。
「そいつらは、別に…退学になったって生きていけるじゃないか…」
ゆっくりと、口を動かしてなんとか言葉を並べるがっ君。
わたしはその声を一つたりとも聞き逃すまいと、耳を傾ける。
「でも、俺は…」
がっ君は、怒りと悲しみに満ちた表情を浮かべながら、笑った。
「桜がいないと、生きていけない…」
まるで、時が止まったような感覚に襲われる。

