言っている意味がわからなくて、首をかしげながら、わたしはぱちぱちと瞬きを繰り返した。
「…えーっと、桜子、ちゃん?……君、めっちゃかわいいな」
「…!」
「…いやいや、ほんまびっくりやわ。都会の女の子はみんなこないにかわいい子ばっかりなん?レベル高すぎやわー…」
か、かわいい?
わたし、が?
お世辞にも、ほどがある。
だって異性からそんなこと言われたのは、親戚以外初めてだし、まず親戚以外の異性から話しかけられることがない。
クラスメイトだって、わたしには一切話しかけてはこないし、きっとわたしが地味だから、みんな話してくれないんだ。
そうとしか、考えられない。
見え透いたお世辞を言う彼に、なんて返せばいいかわからなくて、下を向く。
「あれ?怖がらせてもうた?オレ全然チャラないから怖がらんといて!ほんまやで!硬派硬派!」
「……」
「うーん…自分から女の子にアタックしたことないから、難しいなぁ…」
彼は何やらうーん…と考え込む仕草をして、ぶつぶつ呟いていた。

