【完】君は狂った王子様。



「…うん。ゼリーってこんなに美味しいものだったんだね」



照れくさそうに、がっ君は笑った。


そんなに……


…このりんごのゼリー、美味しいのかな?







氷枕を敷いて、がっ君を寝かせる。

額にタオルを置くと、がっ君は気持ちよさそうに目を閉じた。



「桜に看病してもらえるなら…熱が出るのも悪くはないよ」



どういう意味で言っているのだろうか。

本当に、がっ君の考えは読めないなぁ…



「な、なに言ってるのがっ君…もう」



わたしはあまり深く捉えないことにして、体温計を取り出した。



「熱計ろっか?」



笑顔で頷いたがっ君は、わたしから体温計を受け取る。



その際に少しだけ手が触れて、ビクッと反応してしまった。