「それじゃあ、ゼリー持ってくるね」
少しでも何か口に入れなきゃ…。
冷蔵庫に入っているものの中から、りんご味のゼリーを取り出した。
がっ君は、果物の中で一番りんごが好き。
本人に聞いたわけじゃないけど、ずっと見ていてわかった。
もともと、がっ君は何を好きとか、全く言わない人。
…というより、好き嫌いはないって言った方が正しいのだろうか。
何を食べても美味しいって言って、がっ君が好き嫌いするところを見たことがない。
家柄が立派だから…厳しかったのかな…?
わたしは食べれないものは無いけれど、苦手なものが多いからいつも偉いなぁって思っていた。
りんごのゼリーとスプーンを持って、部屋に戻る。

