【完】君は狂った王子様。



胸の高鳴りを誤魔化すように、がっ君にバレないように、慌てて立ち上がった。



「そ、それじゃあ、待っててねっ…!」



飛び出るように部屋から出て、うるさい心臓辺りをぎゅっと掴む。

治って、わたしの心臓〜っ…。


がっ君の笑顔は、ほんとうに心臓に悪すぎる…っ。


頰を両手で覆うと、驚くほど熱を持っていた。

〜っ、もう、わたしったらっ…。


邪念を振り払うため、頰をパチパチと2度叩いた。




看病に専念する為、必要なものを一式用意する。

あ…そういえば…。


わたしはがっ君の待つ部屋に戻り、扉から頭だけを出して中を覗く。



「がっ君…何か、食べれそう?」



わたしに気づいたがっ君は、「うーん…」と悩んだ末、「うん…少しなら」と返事をくれた。