【完】君は狂った王子様。



ゴクリ。息を飲み込んで、何か言おうと必死に思考を巡らせる。



「あ、の…あの…っ、な、何も言ってな…い」



結局出てきた言葉は嘘丸出しのそんな言葉。


わたしはとにかくがっ君から離れようと身体を起こす。

けれど、それを阻止するように腕を掴まれ、そのままベッドに押し倒された。

一瞬で、視界が反転する。


目の前には、がっ君と真っ白の天井。

顔の両横には、がっ君の手が置かれている。


完全に逃げ場を失ったわたしに降ってくるのは、がっ君の声。



「俺のこと、好きって言った?」



真剣な眼差しが、怖い。


どうしよう、どうしよう…っ。




「ねぇ桜子、答えて」



バレたら…どうなっちゃうの?

わたしの気持ちをがっ君が知ったら…わたしを嫌いながっ君は、どうするの…?