桜の小さな耳に、自分の唇を寄せる。



「逃がさない、絶対に…。俺から離れることは許さない」



まるで呪いのような言葉を囁くと、桜の身体がビクッと反応した。


誰にも渡さない…俺だけの、桜子。



「お前は僕のものだよ。もう諦めて、僕の処まで堕ちておいで」




ーーそうしたら、死ぬまで桜子だけを愛し尽くしてあげるから。


心の中で呟いて、俺は小さな温もりを感じながら目を閉じた。





【第2章】そして妖精は捕まった。-END-