【完】君は狂った王子様。



その破壊力たるや否や。ぶかぶかの袖を持て余している姿はまさに、かわいいことこの上なし。

俺の半パンも、桜が着ると長パンのようになっている。



これは…ある意味裸と同等の破壊力があるんじゃないのか?

くらりと眩暈がしたのは、風邪のせいではない。


俺がそんなことを思っているとは知る由もないだろう桜は、俺の肩を組み、体重を自分へとかけるような体勢をとった。



「ゆっくり立ってね…!ベッド行こう」



とても心配したような表情で、俺を気遣いながら運んでくれようとする桜。


こんな小さい身体で俺を支えるなんて、重いだろうに…。

必死になって、かわいいな…。


俺は桜の支えを借りて立ち上がって、ベッドまでなんとか歩いた。


桜が、ゆっくりと俺をベッドに寝かせようとする。