それでもいいと思ったんだ。桜がそばにいてくれるなら、同じように俺を想ってくれなくったって構わない。
そう、思っていたのに…
いざ桜が俺から逃げたという現実に直面し、それだけでショック死出来そうなほどのダメージを受けている自身。
桜…さくらさくらさくらッ…
「桜子ッ…」
消えそうな声で呟いた、愛しい愛しいその名前。
俺の声が消えた時、代わりに別の音が部屋の奥から聞こえた。
…シャワーの、音?
…ッ。
一筋の希望が差し込んで、俺は急いで浴室へ走る。
ドア越しに水が流れる音が聞こえて、勢いよく扉を開いた。
さく、ら…。
浴室には、探していた桜の姿があった。

