【完】君は狂った王子様。




……あ、れ。



「…桜?」



ハッとした。

桜を繋いでいたはずの足鎖が、役割を終え無雑作に置かれている。


…ッ。

ポケットに手を入れると、そこには鍵が。

俺は頭が真っ白になって、これまでの経緯を必死に辿った。

俺はどうして、ここで寝ていた?


ここは、桜を閉じ込めていたはずの部屋だ。

勢いよく身体を起こすと、額に乗せられていたものが落ちる。


…タオル?


そういえば、身体が鉛のように重い。
俺は、風邪を引いてしまったのだろうか。

だとしたら、このタオルは?枕元に置かれている氷枕も…


桜が、看病してくれた?


けれど、辺りを見渡しても桜はいない。


嫌な予感が脳裏を過ぎり、慌てて立ち上がった。

先ほどまで怠くて仕方なかったのが嘘のよう。俺はもう顔を真っ青にしながら、部屋中を駆け回った。