【完】君は狂った王子様。



桜子と、俺は、友達。

なんだか、胸の中に違和感が引っかかる。


…違う。
これは、友人へ向ける感情では無い。


ーー欲しい


桜子が、全部欲しい。
俺のものに、したいーー。



「桜子ー!」

「牙玖ー!!」



少し離れたところから、俺と桜子を呼ぶ声がした。俺を呼ぶ声の主は、母親。

もう一人は、桜子のお母さんだろう。

二人は、俺たちを見つけるや否や安心した表情で、こちらに駆け寄ってくる。



「あ、ママ!」



先ほど母親と仲睦まじく話していた女性を見て、桜子がそう言った。

両親同士が友人と言っていたが、そうか、娘っていうのは、桜子ことだったのか。


そんなことにすら運命を感じて、感情が昂ぶる。



「がっ君行こう!」



桜子が、俺の手を握って、母親たちの方へ引っ張った。