【完】君は狂った王子様。




「…っ」



その笑顔に、俺は心臓を貫かれたのだ。比喩などではなく、ほんとうに。彼女の笑顔が突き刺さった。



「お世辞とか、要らないから」



必死に平然を繕って、動揺を隠す。

俺の目が綺麗だなんて嘘だ。

媚びた大人たちは、『かっこいいね』と言うけれど、綺麗だとは言われたことはなかった。

自分でもこの瞳の不気味さをわかっているし、怖がられたって仕方ないと理解している。

だから…そんなわかりきったお世辞は必要ない。

頼むから、これ以上…っ、



「お世辞?なぁにそれ。あなたみたいな綺麗な瞳、初めてみた」



ーーー惑わせないでくれ。


そう思った時には、もう手遅れ。