彼女は、恐る恐る俺に手を差し出す。
薬指の先を少し深く切っていて、血が垂れていた。
彼女の手は、まるで白雪姫の如く白く、細く長い美しい姿をしている。
俺は高ぶる感情を必死に抑え、彼女の手に触れた。
あたたか、かった。
冷たそうなのに、その手は心地いいほどに温もりを持っていた。
流れる血が、彼女の指を垂れていく。
俺はズボンのポケットに入れているハンカチをとって、流れる血を優しく拭いた。
そして汚れていない部分に歯を立て、細くハンカチを破る。
俺はそれを絆創膏代わりに、彼女の指に巻きつけた。
「応急処置だけど…無いよりはマシだと思う」
「……」
彼女は、俺をじっと見つめるだけで、なにも言わない。

