【完】君は狂った王子様。



「娘さんもいるから、六人で楽しみましょう」


娘…?

はぁ…面倒極まりないな。

子供は嫌いだ。かく言う俺も子供だが、年の変わらないやつらは俺の見た目を怖がるから、面倒くさい。

ちなみに、幼稚舎でのアダ名は吸血鬼らしい。…馬鹿すぎて相手をする気にもならない。


「お母さんたちが学生の頃からお世話になってる友達なの。みんなで楽しく遊べるといいわね」


…まあいいか。俺は一人で部屋に篭っておこう。

もとから遊ぶつもりはない。体力を消耗することは、極力したくはないから。



「久しぶりね〜!」



別荘に着くやら、先についていたらしい両親の友人。

両親と同級生らしい。見た目も年相応だ。

四人は再会するやいなや、固く抱きあい喜びを体現していた。