【完】君は狂った王子様。



親子揃って精神がおかしい俺と父親を自然の美しい場所で休養させようとしているんだ。母親が、祖父母に頼み込んでいるのをたまたま聞いたから。


俺の誕生日パーティーは、本来ホテルを貸し切り、企業の人間や関係者をこれでもかと招待し行われる。

けれど今年は、人前に出られる状態では無いと判断したのか、祖父母も中止を選択した。



つい数ヶ月前までは、出来の良い孫ができたと喜んでいたというのに…あーあ、面白い。

俺に幻滅した祖父母の顔を思い出すだけで、愉快な気分になった。



「今日わね、お父さんとお母さんの友人も呼んでるの」


てっきり三人で別荘に泊まるのかと思っていたけれど、どうやら違っていたらしい。