【完】君は狂った王子様。


男の子たちがいくつかのグループに振り分けられ、がっ君は一番女の子たちに近いレールで泳ぐみたい。

がっ君をみながら、女の子たちは目を輝かせ騒いでいる。

がっ君と同じチームになれた男の子たちは、勝ちを確信したのか随分と余裕そうな表情。


がっ君…アイドルみたい。


ベンチに座るわたしに気づき、がっ君がこちらを見た。

手を振られて、ドキリとする。

わたしはうつむきながら、手を振り返した。



ああ…いいな。楽しそう。


毎年毎年、水泳の時間は疎外感がたまらない。

水泳がある日は、もう学校ごと休んでしまいたい気分。



『位置について』



プールの敷地が広いため、先生はメガホンを使ってスタートの合図をとるそうだ。


がっ君は…一番後ろにいるから、きっとアンカー。



『よーい…スタートッ!』



第一走者が、一斉にプールへ飛び込んだ。