【完】君は狂った王子様。



大人たちを困らせることは出来たけれど、憂鬱な日々は変わらなかった。

やっぱり、もう一回死のうかな。

今度は、確実に。


…と思っても、自殺未遂以来俺の警備はつきっきりになり、少しでも変な行動をすれば病院に連れて行かれる。


死ぬことも許されない自分の立場に、窒息死してしまいそうな息苦しさの中生きていた。


そう、愛しい存在と、出逢うまでは。






『今年は別荘で、牙玖の誕生日パーティーをしようか』


母親の提案で、沖縄にある小さい別荘で、六歳の誕生日を祝うことになった。

別に、祝ってもらわなくていいけど。


海も空も、空気も綺麗な場所。誕生日パーティーなんだと言っているが、俺は知ってる。