祖父母の組んだ厳しい教育を受けさせられるため、両親に会うことは滅多にない。
月に一度。仕事で忙しい父親とは、年に一度会うかどうか。
自分が愛されていないと感じるようになったのも、もういつからかわからない。
なんか、このまま生きるのも馬鹿らしいな。
大人たちに良い様に利用されて生きることに疑問を抱き、どうすれば困らせられるかを考えた。
そうだ、俺がいなくなっちゃえばいいんだ。
そしたら、みんな困って、この家はぐちゃぐちゃになる。
別に俺はみんなが困ろうがどうしようが関係ないし、むしろわからせてやりたい。
俺は、都合のいい道具じゃない、と。
自室で英会話の教育を受けている最中。俺は、この教師が一番嫌い。
窓から、飛び降りてやったんだ。
六歳になる一ヶ月前のこと。

