がっ君が心配だから長風呂はしないけれど、やっぱりお風呂は好きだなぁ。


気持ちいい…。


思わずぼーっと、お風呂の気持ちよさに浸ってしまう。

そんなわたしを現実に引き戻したのは、バタン!!!と勢いよくドアが閉まったり開いたりする音。


誰かが部屋を物色しているのだろうか、お風呂の中にまで聞こえてくる、騒々しい音だった。


…あれ?

もしかして、がっ君が目を覚ました…?


そうじゃないとしたら…泥棒か、何か…?



ど、どうしようっ…!


急いでお風呂から出た方がいいのだろうか、けれど今は衣服を身につけていなくて、出るに出れない。


どうするべきか迷っていると、浴室のドアが勢いよく開かれた。


ドアの奥に、息を切らしたがっ君の姿。


…え、えぇっ…!!

わ、わたし、服着てない…っ!


突然のがっ君の登場に、わたしはとっさにお風呂へ肩まで浸かって身体を隠した。



「が、がっ君…!一旦出て「桜子…っ!」



出て行って、と、言おうと思ったのに。


がっ君は今にも泣きそうに顔を歪めて、わたしに抱きついてきたのだ。