【完】君は狂った王子様。



がっ君…!?



「ど、どうしたの…!?」

「さ、くら…?」

「がっ君…って、凄い熱…っ」



酷い、熱…!


がっ君の身体は、驚くほどに熱を持っていて、表情もとても苦しそう。

きつく瞼を閉じて眉間にしわを寄せ、痛みを堪えるような顔をしていた。


呼吸も、とても乱れている。


…きっと、わたしの風邪が移ったんだ…っ。

ずっと同じ部屋で、看病してくれていたんだもの。


とりあえず、ベッドに寝かせよう…!



「がっ君、少しだけ立てる?」


「…っ、はっ…」



わたしの声も届いていないのか、ただ苦しそうに胸を抑えるがっ君。


がっ君…っ。

苦しそうながっ君を見ると無性に泣きたくなって、けれど今は泣いている場合じゃないと涙を堪える。

えっとええっと…か、担いじゃえ…!