【完】君は狂った王子様。



なんだか、がっ君いつも通りだなぁ…。

連れてこられた日は、あんなに怖かったのに…

今のがっ君は、わたしの知る優しいがっ君だった。


ここにきて数日経って、結局がっ君の目的が何なのかは一向にわからないけれど、なんだか今はそんなこと、どうでもいい気がした。


…って、だめだよっ…!

早く家に帰らなきゃ!学校にもちゃんと行かないと…!


がっ君の優しさに絆されそうだった自分の頰を、パチパチと二回叩く。


その時、突然隣の部屋から物が崩れるような音が聞こえてきた。


…!?

驚いて、ベッドから立ち上がる。


どうしたんだろう…?


鎖が届くギリギリ。歩いて部屋の扉を開ければ、奥から突然、がっ君がわたしに倒れこんでくる。


えっ…わ、わわっ…!


支えきれなくて、二人で床に倒れた。