懐かしい…あの頃は、幸せだったなぁ…。



もう戻れないのかと思い、突如虚しさがわたしを襲った。



「ごちそうさまでした…」



両手を合わせると、がっ君の手が伸びてきた。

その手が、わたしの頭に乗せられる。



「桜は良い子だね」



優しい手が、わたしの頭を撫でた。

目に涙が滲んで、がっ君の顔がぼんやりする。


いつもの、がっ君だ…。

…優しい、がっ君だっ…。


優しく名前を呼ばれるたび、

撫でられるたび、

笑顔を向けられるたび…


この人が好きだと痛感する。



ねぇ…どうやったら、わたしのこと好きになってくれる…っ…?


わたしじゃ、ダメ?

がっ君は…わたしなんかじゃ好きになれないっ…?