【完】君は狂った王子様。



「…ああ!よかった…やっと食事を摂ってくれる気になって」



心なしか、嬉しそうな表情。




「ほら、座れる?」


「うん…大丈夫」



がっ君は優しくわたしを支えて、ベッドに座らせてくれた。


小さめのお鍋を持ってきて、中に入っているおかゆを食べさせようとスプーンをわたしの口の前に持ってくる。



「はい、あーん」

「あー…ん」



パクリと、口にしたお粥は、卵が入っていてとても美味しかった。


がっ君は、満足気に微笑む。

どうやらわたしもお腹が減っていたのか、残さずおかゆを平らげた。



美味しかった…。


そういえば、昔もこんなふうに看病してもらったこと、あったなぁ…。



わたしの両親は共働きで、夜遅くまで帰ってこない。

わたしが熱を出した時、看病してくれたのはいつもがっ君だった。


とても心配そうな顔で、一生懸命看病してくれたのを憶えている。