【完】君は狂った王子様。



「よかった…桜」



愛しいものを見るような目で見つめられて、泣きたくなる。


がっ君…わたし、幼なじみなのに、ずっと一緒にいたのに、がっ君の考えてること、全然わかんない…

こんなの、もう幼なじみも失格だね…。



「がっ君…わたしもう大丈夫だから、寝ていいよ…?」



自分より、がっ君の体調の方が心配だ。

そんな酷い隈作って…いつ倒れるかわからない。



「僕は大丈夫だから。心配してくれてありがとう」



無理に作った笑顔が痛々しくて、隈がそれをさらに際立たせる。



「それより、ご飯を食べてくれないか…?こんなに痩せて…また倒れてしまうよ桜…」


「…わたしが食べたら、がっ君も休んでくれる…?」



そう言うと、がっ君は驚いたように目を見開いた。

わたしが食べると言ったのが、意外だったのだろうか。