【完】君は狂った王子様。


「後悔はしていないけど、うなされてる桜を見て申し訳ないとひたすらに思っていた。ほんとうにごめんね…」



がっ君に謝られたら、なにも言えなくなってしまう。

そんな、心底悲しそうに言われたら、文句も言えないよ…。

困ったようにわたしを見つめるがっ君と、視線がぶつかった。


…え。



「がっ君…隈が…」



その目には、酷い隈が出来ていたのだ。



「え?…ああ、気にしないで」


「ずっと…看病してくれていたの…?」



もしかして…寝込んでいたという3日間、一睡もしていないんじゃ…


そう思うほど、がっ君の隈は酷い。



「桜がうなされてるのに、心配でそれどころじゃなかったよ」



そう言って苦笑いするがっ君に、胸がズキッと痛んだ。


どうして…わたしなんか…


がっ君、わたしのこと嫌いなんでしょう…っ?

それなのに、なんで…