【完】君は狂った王子様。




けれど、手の震えはまだ治っていない。



「どうしたの…?そんなに、心配そうな顔して…」

「心配したに決まってるだろう…!3日間も寝込んでいたんだから…」



3日…?

寝込んで、た?



…あっ、そうだ!

わたし熱を出して…えっと…しんどくて…倒れたの、かな?


その辺は曖昧だけれど、どうやら熱を出して寝込んでいたというのは確かなようだ。

3日も寝てたなんて…そんなひどい熱だったの?



「ごめんね…」



がっ君の弱々しい声に、室内がシーンと静まる。

わたしは驚いて目を見開くことしかできなくて、その言葉に相応しい返事が浮かばなかった。


だってごめんねって…なにに対して、なんだろう…?




「桜が熱を出したのは、僕がこんなことをしたせいだよね…?」



閉じこめたことに、対して…?