【完】君は狂った王子様。


がっ君は…わたしと同じ好きじゃ無くても、わたしのことを少しは好いてくれていると思っていた。

妹みたいに可愛がってくれてるって…思ってたのに…。


ほんとうは、真逆だったんだ。


どうして嫌われてしまったのか、これと挙げられる理由は無いけれど、心当たりなら幾つもあった。

幼い頃から、がっ君にべったりしすぎていたこと、甘えすぎたこと、わたしが地味で、つまらない子だから。

そしてなにより、婚約。


きっと、がっ君は態度には少しも出さなかったけれど、うんざりしていたんだ。

わたしの、ことを。



ふと、テーブルに置かれたトレーを見る。

そこには、オムライスとオムレツ…そして、プリンが乗せられていた。


…っ。


「…がっ君の、ばかぁっ…」



誰にも届かないような声で、呟いた。


どうして、わたしの好きなものばっかり…。

わたしのことが嫌いなら、優しくなんてしないでほしいっ…。


がっ君が、優しくするから…桜って、優しく名前を呼んで、頭を撫でてくれるから…



ーーわたしは勘違いして、こんなに好きになっちゃったのに…っ。