「大丈夫だよ。ちゃんと僕のものにしてから、もとの生活に戻してあげる。僕からは…逃がしてなんてあげないけどね」
頰に添えられた手が、ゆっくりと下に下がり、首筋を撫でる。
くすぐったい感じがして、「んっ」と声が漏れた。
がっ君は、満足そうに口の端を吊り上げる。
「大丈夫。痛いことはしないから。ご飯を持ってくるから、大人しくしててね?」
わたしは頷きもせず、がっ君からあからさまに視線を逸らした。
精一杯の抵抗を見せたのだ。
けれど、がっ君は上機嫌で部屋の奥へと歩いていく。
ドアが閉まる音がして、一気に肩の力を下ろした。
…こわ、かった…。
あれは…誰?
わたしこれから…どうなっちゃうの…?
がっ君は、2週間経ったら出してくれると言った。
けれど、2週間もこんなところに閉じ込められたら…おかしくなる。

