「どうしたの?そんなに脅えた顔をして…」
「…っ、ここ、どこ…?」
「ここ?…桜と僕の、新しいお家だよ」
新しい、お家…?
頭がおかしくなってしまったらしいがっ君の、考えてることがわからない。
わからなくて…、怖い…。
「桜ってば…昨日の夕方に眠ったきり、今の今まで起きなかったんだ。薬の分量を間違えたのかと思って、焦ったよ…」
「……今、何時…?」
「今?15時だよ。土曜日の。僕はさっきまで学校に行ってたんだ」
土曜日の15時ってことは、わたし、まるまる24時間眠ってたってこと…?
がっ君の言う薬というのは、きっと睡眠薬だろう。
あえて流して、わたしはとりあえず立ち上がろうと重たい身体を起こした。
チャラリ。
…え?
足元で、変な音がなる。