でも、一番その違和感を感じているのはわたし自信なんだ。
わたしは、がっ君の隣になんていちゃいけない。釣り合わない。
なんでもできて、格好良くて、生徒会長まで勤めていて、
家柄も良くて、性格も良くて、文句のつけようのないがっ君。
わたしとは、住む世界が違いすぎる。
この手を振り払って逃げてしまいたいと、毎朝願うのが恒例になってしまった。
結局、今日も手を繋いだまま、1-Sと表札の吊るされた教室に辿り着いた。
わたしとがっ君は、同じ学年で同じクラス。
小、中、高、全て一度たりとも教室が離れたことはなかった。
多分、わたしたちの両親がそうさせているのかもしれない。
だってこの京極学園の理事長は、がっ君のお母様なのだから。
「がっ君、もう離していい…?」
「ああそうだね」
教室についてようやく離された手。
わたしはバレないよう、ほっと胸を撫で下ろす。

