「あー、お腹空いた」

「出前でも頼むか?あれだけヤりゃ、くたくたで何もする気起きねえだろ」

「……」

「無視はやめろよ……」

「ふふっ、ごめんって。てか時間やば」



その後、ふたりしてベッドでゴロゴロしていた。

だけどスマホの上部に表示される時間を見て驚いた。

このマンションに帰ってきてから3時間は過ぎている。

……改めて絆の性欲の強さを思い知った。

ま、でなけりゃ女遊びなんてしないだろうけど。

よく私に落ち着いたな、なんて考えたがらスマホを操作し「ピザ食べたーい。頼んでいい?」と絆に聞いた。



「好きな物頼めよ。俺も寿司頼む」

「へぇ、出前で寿司ってお坊っちゃんて感じ」

「そうか?んなこと言ったら、勝手に実家に寿司職人呼んだ刹那はどうなるんだよ」

「は?刹那そんなことしたの?それいつの話?」

「あいつが小学生の時。親父にしこたま怒られたけど、確かにあの寿司は美味かった。
それがきっかけで、今じゃその寿司職人がやってる店に常連になった」

「へえ、良くも悪くも刹那っていろいろやらかすんだね。
そのお寿司私も行きたい」

「ああ、いつでも連れてってやるよ」

「んー、じゃあ大学に合格したら連れてってよ。お祝いにさ」

「分かった、約束する」




「やったあ」と無邪気に喜ぶ私を見つめ、口角を上げる絆。

その日は各々好きな出前を取り、ふたりきりで楽しい日々を過ごした。