そのまたまたまた翌日の、いつも通り、夜。

公園には立ち寄らない、公園には立ち寄らない……と呪文を唱えながら、片手にレジ袋、片手にビニール傘をさしながら、公園を横切ろうと、した。


……そう、したんだよ、私は。


けど、公園の前に近所のオバサマ達がいて、無理だった。



「こんばんは」



夜も更けているし、長話に付き合わされる前にこんばんはだけ言って、立ち去ろうとした。


……が、




「こんばんは、氷高(ひだか)ちゃん。……あ、氷高ちゃん、あの子のこと、何か知ってる?」




私が住んでるマンションの大家さんだったから、無視するわけにもいかず、大家さんが指した方向を見て。




「イエマッタクシラナ、」

「あの子、最近よく見かけるのよ。もしかして不審者か家出少年なのかしら。だとしたら警察に電話を……」

「ああっ!!す、すみません!実はあの人─────」




自分でも、なんでこの時こんなことを言ってしまったのか、未だによくわかっていない。



ただ、〝補導されないように頑張る〟のあの一言だけが、頭の中をぐるぐる回っていた。