今夜はずっと、離してあげない。





「あ、ごめんごめん」

「もう、気をつけてよね。お弁当が落ちるとこだった」

「こんなとこでも食事第一主義は変わんないのね……」

「毎日のように私の主義変わってない??」




まあ、否定はしないけど。


それより、と廊下の方を指さしてぐいぐい腕を引っ張ってくる。そんなに珍しいの?




「ほら見てみて!!アレだよ真生が時代遅れと言われる所以!!」

「私そんな風に言われてるの??」




そんな噂のお三方を知らないだけで時代遅れにされるとか、この高校終わってるよ……。

っていうか、私は今そんなことよりも重大な危機に陥ってるから、まずはえっと……、




「凛琉、購買行こ」

「その切り替えの速さは一体なんなの??っていうか、弁当あるのに購買行くの?」

「うん……。ほんとは食べたいけど……」

「なら食べたらいいんじゃないの?」




うん、でもね、これは食べられないんだ。
食べたら証拠隠滅しちゃうし。