今夜はずっと、離してあげない。





……なんて、言っていたんだけど。



「………おそい」



遅い。遅すぎるよ、いくらなんでも。
あと5分くらいで5限始まっちゃうよ。

全くあの子は、どこで油売ってるんだろ。



凛琉って案外メンクイだからな……。
イケメン見つけたら、観察とかしてそう。


それか、イケメンの周りにいる野次馬にでも成り果ててるか……。まあ、どっちかだろう、たぶん。

肉まんが売り切れててどうしようって悩んでるっていうのもあるけど……それはないかな。あの凛琉だし。人の卵焼き奪う凛琉だし。



仕方がないな、と思いながら席を立って、凛琉の捜索に向かう。

……って、あ。




「凛琉っ、どこまで行ってたの?っていうか肉まん冷めたらどーしてくれるの」

「こんな時まで肉まん至上主義を崩さないとは、ほんとの肉まんジャンキーね」




いや、今更そんなことに感心されても……。




「どこに寄り道してたの?」

「いやあ、あの噂のお三方を見つけて」




……噂のお三方???