今夜はずっと、離してあげない。





「うっ、ううっ、凛琉ひどい……」

「そんなに泣くの??」




いちばん最後に食べようと残していた卵焼きを奪われた私は、あまりのショックで机に突っ伏していた。



「泣くよ……。あの卵焼き、今日はだし巻きだったんだよ……」

「よくわかんかいけど、ごめん。なにか奢るから泣き止んで」

「じゃあ購買の肉まん……」

「真生ほんと肉まん好きだよね」




面倒そうにしながらも、がたりと立ち上がって購買に行ってくれる凛琉は、あんまり理解されないけど優しいと思う。

クラスメイトからは、冷たそうっていう印象が強いらしいけど。


凛琉はただのイマドキの女の子ですよ。
推しとやらが尊くて今日も悶えてる健全すぎる女子です。




「真生は?行かないの??」

「うん。購買人多そうだから」

「そっか。じゃ、まってて。すぐ買ってくるから」