「家事ができないのと泊まるのは関係ないですよね」

「いや十分関係あるだろ。家事できなきゃ生活できないはニアリーイコールだし」

「ゔっ……」



正直言って、泊まるだけなら何も問題がない。
悔しいけど。


もともとひとりだけではちょっと大きいし、実際ひと部屋空き部屋がある。


けど、初対面にほぼ等しい人物を泊めるには、責任とか、あと諸々の事情込みで無理なのだ。



「それでも却下でお願いします」



ばっさりきっぱり却下した。

これまでのやり取りで、なんだか面倒くさい性格をしていることだけはわかったので、引き下がってくるかなと思っていたから。




「そ」




素っ気ない一文字に、ちょっと拍子抜け。

……なんだ。意外と聞き分け良くて助かった。


ほっと胸を撫で下ろして、彼の寝床の用意やらして、その日は眠りにつき。




翌日の朝、すごい美味しそうなトーストと目玉焼きが盛り付けられたお皿がテーブルの上にあるだけで、あの不審者さんの姿は跡形もなかった。