「……おおっ、ちゃんとオムライスになってる」
「ご希望にかなったようで何より」
「うむ、くるしゅうないです」
拍手喝采。
目を輝かせる私に、呆れたような目を向けてくるのはどうかと思う。
あれから、泊めるかわりにとオムライスを作ってもらった。
なぜオムライスなのかというと、単に卵が大量にあまっていたから、という理由だ。
目の前で、自分の分のオムライスを頬張っている彼を見ていたら、ばちりと目があった。
そして、薄い唇が開いて。
「今日からお前ん家に泊めてくんない?」
「え、嫌です」
ばっさりとぶった切ってしまった。
弁解しておきますが、これは条件反射。
意図して即答したんじゃありません、決して。
「……なんで?」
「いや、あなた不審者ですし」
「お前の親戚ってことなってるから大丈夫だろ。それに、見たところ家事出来る系の女子じゃなさそーだし」
そんな私の荒れ放題の部屋を見渡さないでもらえますか。自覚はちゃんとありますので。



