「アンカーは陸上部の瀬口でいいじゃん。真ん中は女子で固めつつ男子が入った方がいいと思うけど」
的確な意見を言って会話を進めてくれているのはバスケ部の女の子。
瀬口というのは先程の陸上部に所属している男の子の名前。
いかにもスポーツマンといった外見で、いい感じに日焼けしている。
「最初はチームに勢いつけたいから早い人がいいと思う。けど瀬口はアンカーの方がいいから藤田くんがいいと思うんだけど、どう?」
「僕はどこでもいいよ」
こんな風にサラリと言えることが羨ましい。
私がリレーのトップバッターなんて任されたら、緊張しすぎて失神してしまいそうだ。
「ありがとう!じゃあ最初は藤田くんね。で次は───・・・」
6人で話し合いをしていたらあっという間に順番は決まった。
何でも順番を決める時って揉めるイメージだったから、すごく意外だった。



