今考えるとあの日どう足掻いても私は死んでいた。
ただ違ったことは死んでも生き返れる方の地獄を選べたこと。
そして、私と同じ目をしたあなたに出会えたこと。
違う方の地獄を選んでいたなら私は今もあの頃と同じ目をして、無で過ごしていただろう。
誰の目にもうつらない、目に留まることすらない空気のような存在のまま。
あの日からずっと私の隣にいてくれた蒼空。
まだ出会って1年ちょっとのはずなのに、過ごした時間があまりにも濃いからもっと長い間一緒にいたような気がする。
あの日に同じ人種だと思った彼は、本当は違ったのかもしれないと今なら思う。
例えるなら雨に濡れて泥の中を走り回って毛は伸びっぱなしで毛玉だらけの犬。
見た目が悪いから誰も手を差し伸べようとはしない。
でも、実は綺麗にしたら誰もが見惚れるような美しい犬だった。



