「だから、あなたに聞いてないの。引っ込んでいてくれる?」
「.....はぁ⁉︎」
相手するだけで疲れる。
「野木さん、あなたに聞いてるの。私と変わってくれる?」
改めて彼女に向き合って問う。
ちゃんと本心が言えるように、目を見て。
「....お願いします」
小さい声だったけど、ちゃんと聞こえた。
「分かった。私と野木さんは種目交代するから、代えといてもらっていい?」
黒板の近くにいる子に声をかける。
「分かった。書き換えておくね」
それだけ聞いて自分の席に戻る。
他の人は何も言わないけど、ほっとした空気が流れているのは分かる。
誰かがやってくれたから。



