私は何が返せるだろうか、私を救ってくれたこの人達に。
今までもらった以上のものを返せるだろうか。
「じゃあもう行くわね。蒼空、しっかりと哀榎ちゃんをサポートするのよ。良いとこ見せてきなさい」
「哀榎ちゃん、お兄ちゃんまたね~」
「ありがとうございました!」
手を振って去っていく2人を見ながら頭を下げる。
あまり大げさに下げても目立ってしまうから、ペコリ程度になってしまったけど。
「ねぇ蒼空、私は何を返せばいい....?」
あの日誰でもなかった世の中の底辺を這いずり回っていた私に手を差し伸べてくれた人達。
「僕も母さんも愛良も何も返してほしいなんて思ってないよ。ただ哀榎ちゃんが元気に笑顔で暮らすことを望んでるんだ」
「みんな...優しすぎるの。私は与えられてばかりだから」
見返りを求めていないことは分かっているけど、何か返したいという私の気持ちも分かってほしいというのはわがままなのかな。



