「あんたね...」
「ん?」
私が呆れている意味が全く分からないという顔で見てくる。
この無自覚男子は困ったものだよ...。
「それにしても蒼空が私より遅いなんて、意外じゃない。どうかしたの?」
蒼空は基本的に真面目だから学校に来るのはちゃんと余裕をもって来る。
いつも結構遅めな私とは違って。
毎日、私が教室に着くと蒼空がいるのが当たり前だから。
今日はいなくて変だな~って思ったんだよね。
「実は...寝坊しちゃって。ギリギリの電車に乗ったんだ」
そう言って舌を出して恥ずかしそうに笑う。
この仕草でまた女の子が1人落ちたと思われる。
どうしてこんなことを蒼空は無自覚でできるんだろう。



