「ごっ、誤解だよっ!ふたりとも…っ!!」
真っ赤な顔で必死に俺達の「誤解」を解こうと必死な結香。
「…誤解だって言われてもねぇ…ぐすっ」
当然ながら「誤解だ」と言われても納得のいかない俺達。
「だって、それ、キ、キ、キ、キスマーク…とやらでしょ…ぐすんっ」
ぐずぐすと、まだ涙と鼻水が止まらないあや姉が言葉にするのも苦しそうに言う。
「…あっ…!こ、これはっ、その…、『男除け』とかなんとかでされただけで…。それだけだよっ…!ま、まさかこんな赤い痣が出来てたなんて知らなくてっ…」
慌てて説明し出す結香の『それだけ』って言葉にピクリと先に反応したのは、俺。
「男が好きな女目の前にして、キスマークまで付けて!それだけで終わるはずないっ!本っ当に他は何もされてないのか!?」
ビシッと厳しめに言ったら、結香はまたモジモジし始め、
「キ、キスは…された…っ」
俺とあや姉に大きな爆弾を投下してきた。
「「……コロス…!!」」
さっきまで号泣していたあや姉が暗殺者バリの鋭い目付きになりギラギラし始めた。
…いまのあや姉はその視線だけでアイツ殺せそう。。
…俺も負けてはいられねぇ!!
「あ、あのっ、ふたりとも!お腹空いたでしょう?いま夕飯作るから、ねっ!?」
俺達を落ち着けようと必死にごはんで釣ろうとする結香。
「…結香。お姉ちゃん、夕飯はアイツの姿焼きが食べたいわぁ」
「おっ、俺も俺も!今から狩に行くかっ!あや姉!」
「ちょっともう冗談やめてっ!!…今日の夕飯はかつおのタタキだよ?」
「かつお…?」
素早く反応したのはあや姉。
かつおのタタキは、あや姉の大好物。
結香…餌でつるきか!!



