ギョッと目をひんむいて驚いているわたしに、
それがどうしたんだ?と何でもないかのような涼しい表情の碧。
今朝の我が家の事と言い、学校での事と言い…。この人の考えている事や行動は常識が通じない。
チラリと周りを見てみると金髪と緑は完全に失神している。そして、未だにわたしの事をその胸に大事そうに抱いていて。
「あ、の…っ。ありがと…!もう大丈夫だから降ろし…」
「無理だ」
「へっ?」
予想外の応えが返ってきた。
「む、無理って…!?」
「言葉の通り。無理なんだ」
「どうしてっ?」
「ずっとくっついていたいからだ」
「はいぃっ!?」
ビックリし過ぎて声裏返っちゃったじゃない!
「帰るか」
「じゃあ降ろしてっ!」
「無理だと言った筈だが?」
「近所の人に見られたら恥ずかしいっ!」
「安心しろ。お前の家に帰るわけではない」
「…は?じゃっ、じゃあ一体何処に帰ると…」
「俺の家に決まっているだろう?」
えぇぇええええっっ!!!???



