やだっ…!!
やだやだやだ!!
助けて…!あや姉!朔!!
誰か…っ、誰か助けて!!!
声にならない声で叫んだ瞬間(とき)だった。
「っっ!!!」
いきなり風が凪(な)いだかと思ったら金髪頭が2メートルぐらい吹っ飛び、頭からアスファルトに落ちそうになったわたしをふわりと誰かに抱き留められたかと思うと、今度は緑色の短髪が吹っ飛び、そのまま頭からアスファルトに崩れ落ちた。
わたしは何が起きたのかわからずにポカンとしていると、わたしをお姫様抱っこしてくれている主の声が頭から降ってきた。
「大丈夫か?」
「え…?っ!!あ、碧っ!?」
助けてくれたのは、碧。だった。
「ど、どうして碧が…っ!?」
「どうしたもこうしたもないだろう?昼休みにまた保健室に行くと言っておいたのに勝手に帰って」
全く。と言うように小さな溜め息をひとつ吐く。
「それはごめんだけどっ!そ、そうじゃなくて…!なんでわたしがここに居るってわかったの?ここ、通学路からだいぶ逸れてるし、見付けにくい場所なのに…」
「ん?あぁ、それはこれのお陰だ」
言うなり、わたしのリュックの底に手をやるととても小さな機械らしきものを見せてきた。
「…これは?」
何やら嫌な予感がするんだけど…。
「最新式のGPSだ」
なんですとぉ!?



