「あや姉はともかくとして、朔はなんでいまここ(家)にいるの?」
「ん?あぁ、1限目に使う教科書忘れたから取りに帰ってきた…っ!?」
はぁっ!!!とすんごい大事な事をやっと思い出したらしい朔は物凄いスピードで階段登り降りして教科書を持つと、
「あや姉!あとは任せたっ!!」
脱兎の如くあっという間に学校に戻って行った。
「ほぉ~、さすが野球部の4番はってるだけあるわね」
感心しているあや姉。やっと般若の顔じゃなくなった。
「…あや姉。わたし、これから学校に行ってくる」
「どうしてっ!?学校にはキャツがいるのよ!?」
「ヤツ」じゃなくて「キャツ」なんだね…。
「わたし、碧のこと何も知らないから…。学校ではどんな存在なのか、調べてみたいの」
「そんなの朔に任せたらいいじゃないっ」
「え、朔に?」
「そうよ!アイツあんなんだけどかなりモテるみたいでね、他校にもアイツのファンがいるわけよ。だから朔が自分のファンをいいように使えば…」
ヒヒヒッと今度は魔女のように不気味に笑った。
怖いって、あや姉。



