「ねぇ、なんで僕までペコの制服を着ないといけないの?」

颯太君が奥から出てきた。

「うわぁあ!!!」

思わず変な声が出た。小さなネクタイを締めたペコの制服姿。

なんて破壊力! 私のが全部持っていかれるくらい可愛い!

「二人には今日からペコで働いてもらいます」

その言葉に、私と颯太君は同時に目を見開いた。

「僕が!? なんで」

「颯太は学校へ復帰するための準備です。琴葉もペコハウスの一員である以上、何らかの仕事をしてみんなに役立たなければなりません」

麗於さんはにこりと笑うけど、颯太君はものすごく憂鬱そうな顔をする。

学校へ復帰するための準備?

てことは颯太君、今は学校へ行けてないんだ。

「こんな可愛い奴、誰かに拐われねぇか心配だな」

後ろから、ルナが私を抱き締める。

完全に不意を突かれ「きゃっ!」と声が漏れる。