次の日。私は朝早くに麗於さんに起こされた。

「これに着替えてください」
「え? これって…」

渡されたのは、真っ黒なスカートと、ふりふりのエプロン……これって、メイド服!?

「あんまり、ジロジロ見ないでください」

カフェでお茶していたみんなの前に、私はメイド服姿で現れた。

「うん! 似合ってますね!」と麗於さん。

「うわぁー! やべぇくらい可愛い!」と将冴さん。

そんなに似合ってるのかな?

私はくるくると回る。

篤史さんは愛想悪く言うかと思ったら、顔を真っ赤にしてうつむいた。

「可愛い…っ」

ボソッと、篤史さんは呟いた。

え?? 今なんて??

「おい篤史! お前今、琴葉を見て可愛いって言っただろ?」

将冴さんが茶化す。

「バ、バカ言ってんじゃねぇよ! 俺は可愛いじゃなくて、その! あぁ、もう! なんでもねぇし!!」

こんなに慌てた篤史さん初めて見た。