「よっ！ 琴葉っ！」
「将冴さん！」

将冴さんは笑顔で買い物袋を持っていた。

「ペコハウスへようこそ！ 不安なこととかあれば俺に何でも言えよ！」

「あ、ありがとうございます！」

やっぱり、将冴さんは頼もしいなぁ。

「夜は琴葉の歓迎会すっから、楽しみにな！」

その日の夕飯は、二階の共同スペースで私の歓迎会をしてくれた。

大きなテーブルには、ところ狭しと料理が並ぶ。

お寿司にピザ、お肉、麗於さんが作ってくれたイタリアンなど、ジャンルが和洋中ごちゃごちゃで、こんなに食べきれるのか心配になるほどの量だ。

けど、どれもこれもおいしい。

「歓迎なんかしねぇよ」って目でにらんでくる篤史さんと、「琴葉が来てまた楽しくなるぜ！」と笑う将冴さんは、料理が並んだ途端に奪い合うように食べた。

それを笑顔のままキレた麗於さんが「女の子の前でお行儀が悪いですよ」と殴った。